Vol. 5

2012年 7月

レジオネラ属菌対策

レジオネラ属菌の発育至適温度は36℃前後で、夏期は菌の繁殖に最適な環境となります。近年のレジオネラ症防止のための設備の維持管理に関する法規制やレジオネラ属菌対応の水処理剤の使用によって、冷却水系から菌の検出される割合は無処理と比較して、飛躍的に低下しました。しかし、冷却水処理剤を使用していてもレジオネラ属菌が検出される場合があります。これには様々な要因がありますが、処理剤を効果的にご使用頂くためのポイントを以下に示します。

①.薬注装置の維持管理不良
エアロック、薬剤の補充忘れ等により規定量が添加されていない。 ⇒ 日常管理で点検を行なって下さい。
②.保有水量の過少見積り
間欠添加の場合に濃度不足を招く。 ⇒ 正確な保有水量の確認をお願い致します。
③.停止系統
循環ポンプが稼動していない系には薬剤が行き渡らない。 ⇒ 定期的に全ての循環ポンプを稼動させて、系内に有効成分を行き渡らせて下さい。
④.スライムやアメーバの存在
系内にスライム汚染やバイオフィルムが存在すると微生物類の増殖の温床となります。また、アメーバ類の内部にレジオネラ属菌が寄生増殖することが知られています。これらはいずれも水処理剤の有効成分とレジオネラ属菌との接触を阻害します。 ⇒ 汚染状況に応じた清掃、または処理剤添加量を標準添加量よりも増やして下さい。尚、汚染が激しい場合には化学洗浄実施後に処理剤を添加して下さい。
⑤.冷却塔内に堆積物が多い
多くなると、微生物繁殖の温床となりバイオフィルムやスライムが生成されやすくなり、処理剤が効き難くなります。 ⇒ 清掃を頻繁に実施する。サイドフィルター(循環ろ過装置)を設置する等により、堆積物を除去する処置が有効です。
⑥.系内で処理剤の滞留時間が長い
稼働率の低下や過度な濃縮によって処理剤が系内に長時間滞留すると有効成分の分解・消耗を招きます。 ⇒ 定期的な一括投入や適切なブローの実施が必要です。

抗レジオネラ水処理剤協議会登録の除菌洗浄剤

フォスニー レジックス、れじお、れじこは、オンライン洗浄が可能なレジオネラ属菌除菌洗浄剤です。
詳細は担当営業へお問合せ下さい。

芙蓉化学のレジオネラ属菌検査

環境測定部は、本年4月に杉並区和泉の本社ビルに移転し、新しいラボで業務を開始いたしました。今回は芙蓉化学のレジオネラ属菌検査についてご紹介します。

レジオネラ属菌検査が行われるようになった当初は冷却塔水では70%近く、浴槽水においても50%以上のレジオネラ属菌が検出されました。
レジオネラ属菌の危険性への警鐘が進み、冷却塔水においては薬剤の普及、冷却塔の定期的な洗浄や補給水の水質改善が進み、浴槽水においても次亜塩素酸ソーダの注入管理や除菌洗浄の普及により、近年検出率は飛躍的に低下しました。
しかしまだまだレジオネラ属菌は検出されています。今後もさらに、人の命に係わるレジオネラ属菌対策を強化していくことが重要です。

1. レジオネラ属菌検出率の変動

芙蓉化学では1991年にレジオネラ属菌検査を開始しました。冷却水と浴槽水の検出率の変動についてグラフに示します。

2. レジオネラ属菌検査方法について

芙蓉化学のレジオネラ属菌検査は、『第3版レジオネラ症防止指針』[(財)ビル管理教育センター]のろ過濃縮‐酸処理法に準じておりますが、濃縮液のみでなく、検液原液での培養も行なっているため、検査精度が非常に高く、カビや雑菌過多の場合の検出不能を殆ど生じません。


  • 培地塗沫

  • 培養 5~8日

  • 培地に生育した
    レジオネラ属菌
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